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弊社のご提案する適正在庫とは、
(1)欠品率の抑制 (お客様へのサービス率向上)
(2)在庫ボリュームの圧縮 (キャッシュフロー改善とロス削減)
(3)入荷行数抑制 (陳列作業生産性向上)
の3要件を同時に満たす在庫水準と定義しています。
3要件はトレード・オフ(二律背反)の関係にあります。
在庫動態が可視化されるだけで、お客様自ら改善し始めることが可能です。
それだけに何をKPI(Key Performance Indicator)とするか?は重要です。
<1>在庫のボリューム
在庫原価金額/平均販売原価金額 の在庫日数で管理します。
在庫日数しか、可視化できていない企業は要注意です。
唯一目に見える指標の在庫日数を下げていき、お客様へのサービス率である欠品率が他社よりも高い水準であることに気付かない、というのはよくあることです。
在庫日数は、分子の在庫原価金額を下げることでも実現できますが、分母の平均販売原価金額の増、つまり売上高を増やすことでも数字を改善することができます。
最も望ましいのは売上高が伸びた結果、在庫日数が下がっていくストーリーです。
そのためには以下の欠品が抑止されることが、適正化に進む順序で最も重要です。
<2>欠品
欠品水準は、欠品率で可視化します。
在庫の引き当て時に欠品判定できる業種と、できない業種があるため、計算方法はいくつかあります。
また、数値改善のためには、欠品率だけでなく、欠品理由をコンピュータで自動判定できるようにしておくことが肝要です。
さらに、<1>と<2>の2つのKPIだけで在庫動態を管理している企業は、作業量としての発注・入荷行数が増えてしまう不具合が出ます。
<3>入荷行数
一般的に小売業では店頭の陳列作業が20~25%の人時構成比であるにもかかわらず、入荷行数や仕入行あたりピース数をカテゴリー別に前比,月次推移などで管理している企業は少ないのではないか?と思われます。
さらに入荷行数増減の原因を分析できている企業はさらに少ないと推測します。
しかし、昨今のチェーンストアでは最低賃金上昇や1店舗あたりの社員数抑制などの課題が顕著になってきており、作業量をどうコントロールするか?が以前にも増して重要になっています。
低金利,人手不足による人件費上昇環境下では、在庫の教科書どうりに商品回転率を上げるよりも、商品ABCランク別に役割を設定した上で、入荷1行あたりのピース数を増やして労働分配率抑制に重点を置く企業が増えています。
具体的には、販売予測ロジックの精度向上により発注サイクルも従来から柔軟に変えることができます。
発注サイクルを変えることで、曜日あたりの陳列作業量を平準化しつつ、仕入行あたりピース数を増やす試みは以前よりも重要になってきていることを実感しています。
<4>新しい在庫基準の設計
欠品/在庫ボリューム/作業量抑制の3つを可視化した後に、他社比または他業態比の例なども示しながら3つの優先順位をカテゴリー別に設定し直す、ご支援をします。
店舗作業量を平準化する発注サイクルと発注~入荷までのタイムチャートを見直し、予測期間が確定します。
店別商品別の販売数を予測するロジックはカテゴリーによって異なります。グロッサリーや非食品カテゴリでは、販売頻度が低い商品のコントロールが必要であり、さらにトレンド,52週季節指数、突発販売数のフィルタなどを考慮しています。
一方で日配商品やパンなどは、賞味期間が短く、生鮮ロス(値引+廃棄)と機会損失のトレード・オフを考慮しながら許容ロスを決めてコントロールします。気温・天候や特売売価、陳列フェイス数などの影響で販売数が大きく変わる特性があります。一般的にルールベースの予測モデルは、特徴量が多くなると精度が高いモデルの作成が困難となります。
よって、週間天気予報情報や特売売価変動情報、陳列量情報などを特徴量に加えた、機械学習予測モデル版を試行しました。2年間以上のPoCを経て、既に本番稼働して販売数予測精度向上と生鮮ロス率改善の明確な成果が出ています。生鮮日配の中の商品カテゴリ別に役割を付与し、役割に応じた機械学習モデルを数パターン分けて適用しています。また機械学習モデルはデータ量が十分に無いと予測精度が上がりにくいという特性があるため、販売頻度ランクによっては既存のルールベース予測モデルを適用したブレンド・モデルとしています。
弊社は、適正在庫管理をマーチャンダイジング・プランの一部分と位置づけています。
小売業のマーチャンダイジング・プランとは
<1>店にどんなものを置くか?(どんなものは置かないか?)
<2>何を置くか?
<3>いくつ置くか?
のセットであり、その<3>いくつ置くか?が適正在庫数量管理となります。
<1>と<2>の上位戦略が軌道からずれていては、成果を上げることはできないというのが弊社の考え方です。
よって、在庫適正化にあたっては、
・商品分類の確認と再設定(カテゴリ/ユニットの再定義)
・カテゴリの役割と戦略の定義
・分類の最小単位=ユニット毎のバイヤーの商品選択と改廃方法の確認
・カテゴリ戦略に基づいたカテゴリ別在庫基準決定
などをセットとして、ご提案します。
弊社の提案で稼働させた場合に、どのような効果が出るか?を事前にシミュレーションをして、極力数値で提示するように努めています。
たとえば、一時的に在庫を圧縮しなくてはならない要件が発生した場合に、10%の在庫量の圧縮と20%の在庫量の圧縮により欠品率がどの程度変わるか?
発注サイクルの変更により欠品率と在庫日数がどのように変わるか?などシミュレーション・パターンは様々です。
シミュレーションは、内容に応じて有償サービスとさせていただいています。
導入後、月次稼働状況レポートを提出し、導入効果と課題の優先順位を整理します。
カテゴリ別、店舗別などの数値変化を前年比,月次推移、あるいは他社比などで報告して、在庫コントロールパラメータ、季節指数パラメータ、あるべき軌道からの逸脱の早期通知、運用状況の改善案などをご提案します。
弊社担当者は、定型的な報告内容を整えることよりも、現場数値をよりよく変えられるポイントを捜し出してご提案することを最優先のミッションとしています。
ご提案内容(Plan)を受けいれていただけた場合には、実施後(Do)の数値推移を翌月移行に検証(Check)して、実施後の結果によっては修正案を提示(Action)するサイクルに担当者は注力します。
このPDCAサイクルの回数が多ければ多いほど、サイクルが早ければ早いほど同業他社に対する競争力強化要因になると考えています。
同時に、少しでも現場の数値を変えることができた経験こそが、弊社担当者のモチベーションになっています。
月次レポートの報告で、実データをもとに在庫理論をあてはめて説明するので、システム担当者や商品部に対して在庫ロジックの教育をします。
毎年の部署異動などにより、システム担当者が交代したタイミングなどでも継続的に教育を繰り返し実施するようにしています。
一方で、入社後数年経過しても、何度も同じ教育にご参加いただいている方も多数おられ、「今回が一番良く理解できた」というようなお声をいただいています。
在庫管理業務に数年携わる間に、段々と在庫コントロールのしくみについての理解が深くなり、より俯瞰的、体系的にロジックをご理解されるようにスキルアップをされている証かと思われます。
株式会社プランディック 適正在庫サービス導入実績
大手薬品卸売業,大手日用品化粧品卸売業,大手ドラッグストアチェーン数社,大手チェーン調剤薬局数社,大学病院など